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導入事例

紀伊國屋書店 様

写真:紀伊國屋書店様日本を代表する大型書店である紀伊國屋書店新宿本店

インターネット人口の増加や電子辞書、カーナビの普及など情報のデジタル化が進む中で、出版業界・書店業界ではコスト削減、業務の合理化が求められている。国内で60数店舗を運営する紀伊國屋書店でも、POSレジ運用方式の大幅な変更によりカウンター業務を改善し、効率化に取り組んでいる。その戦略の核となるのがシャープのPOSターミナル「RZ-A430」の導入だ。

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導入の背景

書店業界特有の親子レジ方式の弊害

写真:情報システム部 部長 野田透氏情報システム部 部長
野田透氏

出版業界の市場動向は、1996年をピークにダウントレンドにある。少子高齢化といった社会背景だけでなく、次々に登場する電子メディアが書籍、雑誌等の冊子体の需要を鈍らせるという構造的な問題もある。書店業界の大手である紀伊國屋書店でも、POSを活用したカウンター業務の効率化が喫緊の課題となっていた。

紀伊國屋書店では、2009年からシャープのPOSターミナル「RZ-A430」を活用したカウンター業務の改革に乗り出し、2010年は新しいシステムをスタートさせている。

紀伊國屋書店・情報システム部・部長の野田透氏は、導入の経緯について次のように説明している。
「いくつかの課題がありました。ひとつは紀伊國屋書店がPOS導入の初期から採用して来た親機と子機を使うカウンターシステム。接客対応とレジ会計のスタッフを分けてカウンターでは商品のスキャンを行い、実際の決済は奥に配置された別のレジで行うというもの。昨今では、クレジットカード、図書カード、商品券に加えて、様々な電子マネーが登場し決済手法が多様化しました。このため、現金以外の決済ではそれぞれに用意された決済端末とレジの両方で処理をすることが増え、親子レジ方式では非効率な状況が生まれてきました。」

さらに2010年8月からは紀伊國屋書店のポイントカードの運用を全店で開始した。会計の都度差し出されるポイントカードを効率的に操作しないと、ポイントカード会員の会計時間を増やすことにもなるため、カウンター業務の見直しは不可欠であった。こうした複雑化するカウンター業務を効率的に運用すること。そしてそのために親子レジ方式を改めて、新システムを導入すること。今回、4世代目に当たるPOSターミナルの導入に際して、最大の眼目はここにあった。

システム概念図図:システム概要図

現在の活用状況

決済スピードが大幅にアップ レジ人員の再配置も可能に

写真:POSターミナル「RZ-A430」端末の一本化などで、すっきりと整理されたカウンター周辺

今回のシステム改革の目玉はPOSターミナル「RZ-A430」の導入だ。しかしそのほかにもPOSサーバーの自社運用を廃止するなど数多くの改革に取り組んでいる。従来の自社サーバー運用は管理負担やコストも大きいため、ネットワークを活用したSaaS、クラウドコンピューティングへ移行。システムの運用や監視についての機能を、(株)光和コンピューターにアウトソーシングし、常に先端のサービスが利用できる構造に変革した。

ASP決済サービスである(株)NTTデータの「Pastel Port」も導入。クレジットカード決済、電子マネー決済、さらにポイントサービスの運用など、すべてを1本化した。
これらの改革によって、システム運用に当たっての管理負担は大幅に軽減されている。コスト面については従量制の要素が加わってくるために、今後の検証が必要だ。野田氏は「管理のための人員配置をコストとして考えれば、長期的には軽減につながると見ている」という。

一方周辺機器については、従来使用してきた「Infox」を廃止し、マルチICリーダー端末を採用した。さまざまな決算手法に対応できる端末をそろえることで、レジ周辺の機器を減らし、業務を簡素化することに成功している。

写真:POSターミナル「RZ-A430」が配備されたカウンター新しいPOSの配備は順調に進んでおり、全店導入によって、大幅な業務の効率化、コストの削減が期待されている

POSターミナル「RZ-A430」の導入は2010年2月の東京・笹塚店からスタート。順次導入を拡大し、2010年夏の時点で、ほぼ60%程度の導入が完了している。
「クレジット決済が大幅にスピードアップしている。これまでの端末では子機で入力し、さらに親機でもまた入力していたが、それが1回で済む。通信速度も上がっている。また今後全店導入が完了すると、大幅なレジ人員の削減も可能。そのマンパワーをほかの業務に割り振ることができる」(野田氏)
多くのメリットが実際の導入によって具現化しているという。

一方、導入当初に懸念していたのは、これまで親機だけで行っていたレジ精算がすべてのレジで必要になる点。1日の業務が終了した時点で行われるレジ精算で、予想以上の業務負担が増えては改革の意義が薄れてしまう。
野田氏は、「現金を扱う機器が増えることになり、釣銭の管理などがスムースにできるかどうかも懸念していました。画面の表示方式やレシートの表示方式など、さまざまな検討を行い、導入時には満足の行く形ができあがったと思う」という。

さらに今回の導入に当たっては洋書部門で進められているRFIDへの対応も大きなポイントのひとつだ。2010年7月から洋書部門ではこれまでのバーコード添付方式からRFIDの導入に踏み切っている。この対応にも新しいシステムの導入が必要だった。
洋書は海外から買い付けるために為替相場に応じた値付けが行われており、仕入れ時期によって単品価格が異なる。これらの決済や在庫管理、個品管理を効率的に行うために導入されたシステムで、全品にRFIDタグを貼ることで店舗業務全般が効率的に行われる。現在洋書部門では、RFIDリーダーを配置し、決済処理を行っている。

将来の活用イメージ

背面のディスプレイを活用しデジタルサイネージを広告ビジネスに

写真:「RZ-A430」の背面ディスプレイ背面のディスプレイでデジタルサイネージとしての活用も可能だ

「RZ-A430」には背面ディスプレイが装備されており、デジタルサイネージとしての活用ができる。現在紀伊國屋書店では新刊情報やイベント告知などの自社広告を流しているが、今後は出版業界を主なターゲットとした広告ビジネスの展開も考えられるという。
「紀伊國屋書店の売上構成の中では外商部門が4割ほどを占め、大学図書館などとの関係も深い。これを生かせば、大学の広告などを展開する可能性もあるのではないか」(野田氏)という。

また出版業界全体では電子書籍への関心も高まっているという。紀伊國屋書店でも2010年秋にはダウンロードサービス「Kinokuniyaストア」を予定している。
当面は「iPhone/iPad」向けの「紀伊國屋書店アプリ」(ストア統合アプリ)の投入からスタートし、各種スマートフォンやタブレット端末など、多様なデバイスへのユニバーサルな展開を目指す。

端末メーカーに対しては、Kinokuniyaストアのフルサポート機能に対応できるよう、ストア統合アプリや基本機能の実装についての働きかけと必要な協力を行っている。
またSDカードなどのメディアにコンテンツを収納して書店店頭で販売するパッケージ販売を併せ持つ「ハイブリッドデジタル販売モデル」を構築し、これまで日本の出版文化を支えてきた地域書店とも協調して展開できる、「書店発の電子書籍流通モデル」の確立を目指すという。
野田氏は「こうしたデジタル化戦略に対応していく意味でも、さらに先端機器を活用した業務の効率化を図っていきたい」としている。

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